読書

源氏物語を3日で極める 著板野博行氏 スタディカンパニー 読書感想文

書籍名源氏物語を3日で極める
著者板野博行
発行日2013年11月13日
出版社スタディ・カンパニー

読後感想

書籍のレベルは

読書は、自信のレベルに合わせて選書しなければなりません。
難解、中級、入門というようなレベル分けをして、自分がその分野にどれほど詳しいのか!?という事を考慮するわけです。

その道の素人が、いきなり専門書を読んでも、全く理解できず身につかず、無理に読んでも時間の浪費となります。
反対に、それなりに詳しい分野の入門書を読んでも、知っていることばかり・・・時には反論したくなるようなないようであったり、あまりにも著者の持論や武勇伝の展開ばかりで、ほとんど読み飛ばす事になります。

では、今回私が手にとった分野は古典、そして私は学歴も学もない・・・もちろん古典なんて素人中の素人です。そんな私が出会った一冊がこちらです。

仮に私が、原文を読んでもただの難解な暗号です・・・学生ではない私にとっては、古典原文を読み解く勉強をするほどの時間的余裕とその効果はありません。
では、現代語訳ならどうでしょう?それなら中級程度ですが、それでもまだ難しいのです。

今の時代は、ほとんどの専門的な書籍に、入門書が用意されています。もちろんひとりの人間が柔らかく砕いていますから、著者の個人的な考えの影響も受けますが、ある意味では、著者を会話をしながら教えてもらっているような感覚です。

そして、仮にこの難解な長編を読み解くとしたら、壮絶な戦いです。が、先人である著者が分析してまとめあげた成果・・・それは長年の月日がかかった偉業です。それを数時間でインプットする。かつ楽しむ。それが読書です。

入門書でもあり、専門書でもある

この書は非常に秀悦です。全くの素人の私でも、楽しく源氏物語を読むことが出来ます。すらすらと。
そして、入試の傾向や、出題例など覚えておく点もとても詳しく解説が入っています。私はその部分は読み飛ばしておりますが。
なので、入門書でもあり、専門書でもあるという希少な良書です。

源氏物語に詳しくなれる?

さて、源氏物語を私がどこまで知っているかと言いますと・・・

ねこみかん
ねこみかん
平安時代の読み物で、主人公の光源氏の超プレイボーイ物語

という認識です。
現在146ページまで読み進めたうえで再認識したことは、自分の認識は合っていた、という事です。

本当の、超ド素人としては良い認識でしょう。

しかし、1ビジネスマンとしての教養としては全く足りないと言っても過言ではない知識です。

では、この本で教養レベルに達するのか!?

今感じていることは、平安時代の貴族の風習や役職なども朧気に理解できますし、何より、源氏物語が読み物として非常に複雑でかつ現実的な部分を兼ね備え、現代にも通じる超恋愛長編だということです。
ただの、プレイボーイ光源氏・・・それはその通りなのですが、その中には特に女性側の様々な哀愁やドラマが育まれています。

固有名詞も、けっこう頭にインプットされています。

どこかの席で、光源氏の話になったとき、率先して話すことは出来なくても登場人物名などは分かっているので話についていくことは出来そうです!

古典は非常に難しい

やっぱりそんな印象はありますが、それに拍車をかけるのが源氏物語でしょう。
これは古典だからと言うわけではありませんが、超長編の上、登場人物が非常に多く、また役割も上手に絡み合っていて、物語としてはとても重厚に完成されているのです。

が、それが試験にでるとなると堪りませんね・・・。

後書きより

本書は、大学入試出典一位としての「源氏物語」の面に力を注いで編まれていますが、幅広い意味で「源氏物語」の入門書にもなるように心がけて執筆しました。
その意味で、本書が受験生だけでなく、多くの方々に読まれるものになっていれば、著者として幸いです。

と記されています。まさに、受験にも使えるし、読み物として源氏物語を理解するにも良いですし、社会人の教養としても役にたちます。
ビジネスパーソンとして生きる現代人にとっては、歴史を学ぶこと、書籍を読むことが大事であることに疑いはありません。
学業のために勉強することと、社会に出てから勉強するのは様々な違いがあります。

その一つに時間。

学生さんの本分は勉強です。なので、講義でも一時間以上の時間を取れますし、毎日何講義もの時間を割いて勉強が出来ます。
しかし、同じことを社会人がするのは不可能です、社会人の本分は社会貢献、つまり仕事です。そこに多くの時間を割かれます。
また、もう一つ大きな社会貢献があります。今の日本ではそういった意識は希薄になってきておりますが、家庭を築き、子育てをして日本という国家を存続させる・・・家庭を経営するという事は、仕事と並んで大きな社会貢献なのです。

余談ですが、現代は子供を産まない夫婦の形も浸透しています。それはそれで人の自由ですが、時折、公人が「夫婦は早く子供を産んで・・・」などと発言すると叩かれたりします。
なんでも叩かれる社会の風潮でもありますが、真の社会貢献と言う意味では、日本がいくら経済的に潤っても、子供が減っては寂しさが残るだけです。

だから、仕事が大事だという事と同等に、家庭を築く事は大切なことなのです。
家庭を築くためには、恋愛が必要です(これは一概には言えませんが、お見合い結婚や政略結婚の少ない現代の方が恋愛が大事だと思います)。
1000年も前の貴族たちは、実に自由奔放に恋愛をしていますね、神話に出てくる神々の奔放さはこの比ではありません。
もちろん、貴族の生活を支えるために苦労している庶民もいることは忘れてはいけませんが、貴族が奔放に恋愛を楽しむ風潮は庶民にも浸透していたかもしれません。

平安時代の日本の人口は、500万人~700万人ほどと推計されていますので、現在の大阪府の人口より少ないですね。また、平和な時代で貴族が暇だから貴族文化が発展したとも言われています。
平安時代に総人口はそれほど増えなかったので、庶民にとって苦しい時代だったという推測も出来ますが、現代の日本と同じで、成熟した国家の人口は爆発的には増えません、発展途上国や、未成熟な国家(地域)は爆発的に人口が増えますので、ゲルマン民族の大移動も人口は爆発的に増えたことが一因です。

エネルギーに満ち溢れている事や、他にすることがないから子作りに勤しむ(笑)という意見もありますが、平安時代は爆発的には人口増加のない成熟した時代だったのでしょう。

平安時代と現代日本の男女関係には似ていることがあるのかもしれません!
近年、芸能人や公人の恋愛スキャンダルがありふれていて、すでに、大衆は叩きながらも彼らの恋愛模様を楽しんでいるのかもしれません。
千年後・・・もしも純粋な日本民族が残っていたならば・・・彼らにとっての「源氏物語」はどのような物語になるのでしょうか。

大筋に逸れた話を戻しますと。
仕事に家庭、その二つを抱えてビジネスパーソンにとって、時間はあまりありません。

書籍を読むにしても、厳選しなければならないので、源氏物語の原文は専門書なので、専門書を理解するには入門書や解説書を読むのが一番です。
もっと、深く源氏物語を楽しみたければ、原文に近いものに進むのも良いですね。

古典原文を勉強するよりは、英語を勉強するほうが重要度はかなり高いのが残念ですが、自分で使える時間を精査しながら学ぶものを選んでいく。大人の勉強は楽しいです。

「源氏物語」の勉強をするには、最高の一冊「源氏物語を3日で極める」には感謝ですね。

 

 

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