コインランドリーの売上は、非情なまでに雨に左右されます。
しかし、雨は人の力ではどうすることも出来ません。
もちろん、一般的なビジネスでも売上の年間の変動はあり、推移もあります。なので、分析していく上では、前月比とともに、似たようは環境要因である前年同期と比べますね。
特に近年、雨が予測できないのは皆様もご存知の通りです。
その気まぐれな雨に左右されるコインランドリービジネスは、売上推移が非常に読みにくいビジネスです。
はっきり言って雨が降るか降らないかは、運でしかありませんので、いかに売上推移から不確定要素を外すかを検証していきます。
これによって、天候に恵まれない(コインランドリーの場合は晴天が続く)から売上が伸びていないのか、それとも他の要因で売上が伸びていないのかの目安にすることが出来ます。
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動画版はこちら↓
【降水量】と【売上】の相関関係を徹底解明!【コインランドリー経営】は、どれほど雨に左右されるの??
すごく意外な結果が分かりました(・o・)https://t.co/bTzQ2dICxp#コインランドリー
— ねこみかん (@a_money_cat) November 28, 2019
コインランドリービジネスって、どれほど雨に左右されるの?
という事は全く経営に関係ない人でも分かります。私も当然それくらいは認識しておりました。
しかし、多くのコインランドリーオーナー感じていることは
という事です。
言うなれば、どんな経営努力よりも、雨が降ることの方が大事なのです。
雨さえ振り続ければ、どんなお店でも儲かります。
しかし、実際にそんな事はないので、やはりお店の持っている地力、つまりお客様の数が大切なのです。
それでも、雨がふらない限りはお客様の絶対数が増えないっていう事です。
ある地域のお客様の流れの図挿入
他の業種の環境要因は!?
例えば、不動産賃貸業や引越し業者さんの繁忙期は毎年決まっていますね。
人の生活のパターンに基づいた環境要因は、読みやすいです。
アイスクリーム屋さんや、海の家、スキー場など、季節によって売上が推移する業界も近年は季節の気分も気まぐれですが、海開きになったら多少寒くても必ず人は来るように、慣習に基づいた環境要因も、読みやすいです。
梅雨などは、梅雨時期が来ても雨がふらなければコインランドリーの売上には全く寄与しません。
チョコレートや、うなぎを見習うのもアリ!?
バレンタインデーとは、チョコレート業者がデパートで、商品を売るための戦略だった事は有名ですし。
土用の丑の日だって、平賀源内のマーケティングであった事もよく知られています。
この様に、慣習に基づいた環境要因を作り上げるのも良いですね。
分かりやすく言うと、コインランドリーの売上が下がる2月には、「コインランドリー週間」を設置するなど、9月なども「お布団丸洗いの日」などというのが世間に浸透するのも効果的ですね。
これらは、店舗ごとに取り組んではいるでしょうけれど、国民の習慣化するには、業界全体の取り組みが必須です。
コインランドリーって、年間の売上推移はどうなっているの?
では、次にコインランドリー業界の年間の売上推移を見ていきましょう。
売上の平均を0として、そこから何%の開きがあるかをグラフにしたものです。
今年は梅雨が7月に来ましたので、本年のグラフは7月が上がっていると思います。
ここから読み取れる店舗の売上の推移は!?
この値によって、売上が伸びているかに補正を加える事が出来ます。
例えばこんな感じです。
6月 400,000円 7月300,000円 8月290,000円
売上が右肩下がりに見えますが
そもそも7月8月はお店の地力に関わらず売上が落ちる時期なので
売上推移で補正します。
例・6月は+42%の補正を外さないといけないので70.4%を掛けます
6月 281,600円 7月 300,000円 8月 300,900円
となりますので、実際の売上金額は下がっているけど、店舗の地力は成長しているということになります
しかし、特に近年は雨の気まぐれさに、一概にこの表が当てにならないのですよね。
自身の店舗に売上推移を当てはめてみる
当店の実際の売上値
現在、私の店舗の売上は、全く伸びていないように見えますが・・・そういった要素を+すれば、実は成長しているのかもしれないのです。
それによって、今後の進退は大きく変わってきます。
ねこみかんの店舗に売上補正分析を当てはめる
詳しくはユーチューブで解説していますが、今年は遅梅雨だったので梅雨時期の補正もした結果がこちらです。
分析結果
これを参考にすると、5月以降は右肩上がりですが、最高の売上を誇っている7月はと言いますと、梅雨にしてはお客様の入りが少ないという結果になりました。
20日で8万円台の売上の9月はやはり異常に暇ですが、10月などは案外良い売上げであることが分かります
順調に売上を維持していた3月までから4月5月は上がっていなければならないはずの売上が伸びていないので、地力は下がっていることになります。
そこから、6,7,8月は順調に売上を回復しています。
そして、9月には異常な垂れ下がりが観測されます。
競合店舗の影響を考える
売上の伸びが停滞した地点
では、雨の分析に進む前に、当店の売上が下がった地点、を検証します。
3月までは順調に上がり、4月5月は下がり、そこから8月までは順調な右肩上がり。9月の異常を除けば、10月も順調です。
現在実施した売上補正は、例年並みの雨の影響を補正したものなので、他の要因が浮かび上がってきます。
そこで、この図の停滞期と競合店舗の増加を比較してみます。
競合店舗の異様な増加
当店は、2018年8月オープンです。
2018年12月に直線距離900Mのところに新規店オープン
2019年4月頃 直線距離4キロに新規店オープン
2019年5月 直線距離800メートルに新規店オープン
2019年10月 直線距離500メートルに新規店オープン
2019年11月 直線距離2キロに新規店オープン
この様に、わずか一年足らずで、これほどライバル点が増えたのです、FCなどが強調する店舗数の増加は明らかですが、このひしめき具合は皆様の地域ではいかがでしょうか?
売上の停滞と、競合店舗の開業状況の相関関係図
一番大きな影響を受けたであろう店舗は「2019年5月 直線距離800メートルに新規店オープン」なので、その時期に売上が低迷していることが分かります。その延長で繁忙期の梅雨時期に一見売上が上がっているようで、必要な数値には届かず、地力は下がっているという結果になります。
同じ条件で、「2019年10月 直線距離500メートルに新規店オープン」した店の影響も大きいと予測されますから、年末繁忙期に向けての困難が予想されます。
しかし、前向きに見ると、競合店舗の開業で、一時的に数値を悪化させながらも回復し上昇を続けているともとれます。
コインランドリーの年間売上推移の図(マル図とする)の問題点
- 精度は高いが、今年のように梅雨の時期が大きくずれると売上補正の役に立たない
- これを解消する方法
- その図(名称・マル図とする)と、降水量の相関関係が示されるとマル図を用いずとも、その土地のその地域の降水量を使うと
- 売上金額から雨の影響を引いた地力を求めることが出来る。
なので、次にマル図と降水量の相関関係をみていきます。
降水量を見ていく
本当に、今年は雨に恵まれていないの?
私は最近、市内の同業オーナーの方のお話を聞きました。
色々な事を教えてくださったので、そちらは別途記事に致します。
その中で
とも仰っておりました。
私の実感としても、遅梅雨以降は、降水確率90%をことごとく裏切って晴れ渡り、二日間続く雨が記憶にありません。
とはいえ、感覚的なことだけで今後の進退を考えることは出来ませんので、実際にデータをみていきましょう。
気象庁のデータバンクには、何十年物気象データが蓄積されています。
2018年の8月~10月の松山市の合計降水量は502.0㎜
2019年の8月~10月の松山市の合計降水量は299.5㎜
ですから、雨が少ないことは事実と言えます。
全国の降水量の平均値や、合計値のデータはない
売上との相関関係を求める際に、全国の降水量平均値があればよいのですが、そのようなデータはありません。その理由は何故でしょうか??
例えば、こんなデータがあります
47都道府県を対象とする「年間降水量」についての都道府県ランキング
最上位から、1位は高知県の3,659mm、 2位は鹿児島県の2,834mm、 3位は宮崎県の2,732mmです。
最下位から、47位は長野県の902mm、 46位は岡山県の1,143mm、 45位は山梨県の1,190mmです。
と嘆いているねこみかんですが、愛媛県の順位は31位と下位圏内ではないですね。
しかし、実際に愛媛県は東西に長く、東予、中予、南予に分かれ、気候も全然違います。皆様も県独自の地域分けや、天候の違いはありますよね。
特に松山市は石鎚山に守られ、他の地域が豪雨になっていてもあんまり降りません。
気候の安定具合からも「中四国住みやすい街ランキング№1」の松山をどうぞ、移住先にご検討ください。
まぁ、その様な理由で、県全体の降水量でさえあまり意味を成しませんので、全国の降水量統計も然りですね。
一応、データはどこかにはあるみたいで、世界に比べ日本は雨が多いようです。
では、いかに、お天気と売上の相関関係を調べるか考えなければなりません。
降水量との相関関係はこうなっています
まず、相関関係の求め方をこう設定します。
【コインランドリーの年間売上推移】の図は、業者がデータをとって作成したものなので、信頼出来ます。(売上データや費用概算はあてになりませんが、年間売上推移は盛っても意味はありませんので・・・)
このデータは、多くのコインランドリー店舗のデータでありますから、なるべく多くのコインランドリーが集まる地域のお天気との相関関係を調べれば答えに近づきます。
では、どの地域にコインランドリーが多いでしょうか?
そ全国の都道府県別コインランドリー店舗数というデータは、全国コインランドリー企業のエリアランキングを参考にします、相関関係を調べるだけなので基本的にはどこの県のどこの店舗のデータでも一緒ですが、少しでも精度を上げていきます。
少しでもばらついたデータで比較出来るように、2014年から2018年のコインランドリーが多いであろう地域のお天気データを抽出します。
A 2014年福岡県博多市
B 2015年東京相模原中央
C 2016年愛知県豊橋市
D 2017年宮城県仙台市
E 2018年広島県広島市
この5つのデータを抽出しました。
もちろんデータ数が少ないのは承知しておりますが、本来は実際の店舗の売上データと地域の情報が分からなければ精度は上がりませんので、参考値です。
※有志のオーナー様、データのご提供があると嬉しいです。
抽出した都市の降水量
これを、マル図に合わせ平均値をを求め、そこから何%ズレているかの図に直します。
この図を見ますと、ばらつきはありますが、12月から6月は雨が降らない事が分かりますね。
では、次にこれとマル図の相関関係を比べてみましょう。
比較しやすいようにパーセンテージの開きの補正をし、推移を見れるようにしました。
緑色の目立っている線が【コインランドリーの売上推移】です。
こうしてみると意外な結論が出てきました。
コインランドリーの年間売上推移と降水量の相関関係は!?
これらの分析結果によると、年間売上推移と降水量の相関関係は無いようです。
重要なのでもう一度!!
明らかに最高の売上を記録している、6月と12月の降水量、5地点とも超少ないですね。
一応、5つのデータの平均値を、比較データに補正しましょう。
こうしてみてみても
年末は、そもそも雨が少ないですが、最高値に迫る売上を記録しております。
すると、降水確率と売上の相関関係から売上を分析する試みは失敗に終わった事になりますので、実測値の【コインランドリー売上のデータ】の統計から求めるしかないようですね。
もちろん、業者さんはそういったデータの蓄積はしているでしょうけれど、販売元として秘匿しておきたい性質もありますから・・・どこまで分析に役立てるかは疑問ですね。
だって、そうでしょう??
月の売上見込が100万円って謳っているとすれば、実際の全店舗の売上の推移がそのデータと一致しなければなりませんから。
そうか!!!
だから、「コインランドリーの売上の推移」の図は実数じゃなくて、パーセンテージだったのか!!
雨の事をもっと知ろう
ですよね、降水量と売上の相関関係がないとは、なんだか矛盾してまね。
1年で雨が多い月は??
おなじみの、気象庁の発表によりますと、このようになります。
東京で1年のうちで一番降水量が多い月は「9月」です。
ニ番目は、「10月」です。
福岡でした場合はどうでしょう。福岡の月降水量が最も多い月は、「7月」です。2番目は「6月」で、3番目が「9月」と続いて、「10月」はずっと後ろの9番目です。
梅雨時期6月の降水量が一番多いと思っている方が多く、この情報はクイズにもなるほどです。
これらの結果から導かれる推測は
梅雨時期は、数日に渡って小雨が降り続くが、一気にドカーっと降る台風の時期の降水量には遠く及ばない。台風の日は、梅雨の小雨数日分の雨がまとめて降る。
コインランドリーにとっては、2日以上雨が降ることが重要で、また外出できるレベルの雨が好ましい。台風とはいえ、一日だと外出してコインランドリーに行く事もなく、一日分は我慢して溜める。
という仮説はかなり信憑性は高いのじゃないでしょうか?
コインランドリーの売上推移を予測する他の方法は!?
月間降水量から、売上予測を立てることは無理という事が分かりました。
しかし、記事の上のあたりで
2018年の8月~10月の松山市の合計降水量は502.0㎜
2019年の8月~10月の松山市の合計降水量は299.5㎜
だから、今年は去年より売上が悪い天候である。
と言いましたね。
では、それは全く間違っているのでしょうか?
実は、そうでも無いかも知れません。
と言いますのも、月の推移を横軸で紐付ける計算は成り立ちませんでしたが、単月だと成り立つのでは無いでしょうか?
降水量と、売上の相関関係は無くても、雨の日に売上が良いのは事実。
梅雨時期は小雨が多日数降り、台風時期は大雨が短日降るという仮説。
これらを組み合わせると以下の仮説が成り立ちます。
仮定のデータ
6月は、10ミリの雨が20日降って合計200ミリ
9月は、50ミリの雨が8日降って合計400ミリ
なので、6月と9月の売上は2.5倍の開きがある。
これらを参考に、月の横軸を切り離し、単月で計算します。
すると、こうなります。
6月は、一日に平均して10ミリの雨が降るので、降水量から雨の日数を測定する。
数年分の6月のみの降水量の平均値を求め、当年の降水量との%のズレを求める。
例 平均200ミリの降水量 今年は220ミリの雨⇒10%アップ
だから、例年の売上が30万だとしたら、今年は33万円が売上の維持ラインになる。
こうして単月ごとのデータにします。つまり、6月の200ミリと9月の200ミリは全く別物として考えるわけです。
降水日数で考える
でも、どれほど有益か分からない情報にそんなに手間はかけられませんね・・・さほどはかからないでしょうけれど・・・
実は、統計データには、月ごとの~ミリ以上雨が降った日数データがあるようです。
なので、そちらから売上補正を考えるとよさそうですね。
次回は、そのデータを使って、自店舗の地力の売上ベースを試算する事にします。
動画版はこちら↓
電力はエルピオ電気で節約しましょう!
コインランドリー経営にシビアな経費の削減は必要です。数万円越えの電気代の節約は大きいです。
広告費などをかけないので、知名度は低いですが、価格コム上位常連のエルピオ電気で節約しましょう。