円建てとドル建てといえば、保険商品やFX口座などではおなじみですね。
しかし最近流行りの米株を始めとする外国株取引ではどうなのでしょうか?
保険商品などでは、ドル建てや外貨建てはリスクが大きくなると言われていますが、意外にも外国株取引ではそんなことはないのです。
情報がありふれる現代ですが、案外そんな情報が無かったので、日本一分かりやすく(自称)まとめてみました。
Contents
米国株は、日本円で買うべき!?ドル建てにするべき!?
米国株は、当然米ドルで値が付いていますから、日本円では買えません。ちょうど、アメリカに行って、何か商品を買う時には皆さん米ドルを使用するのとおなじですね。
海外株も、以前は日本円で米ドルを買って、株を買うのが主流でした。
でも、今は直接買うことが出来るようになりました。
円でドルを買って、米株を買うことをドル建てと言い
円で直接ドルを買うことを円建てと言います。
両者にはメリットとデメリットがあります。
ドル建てのメリット・デメリット
ドル建てのメリット
- 円安ドル高に触れた時に得をする
- 損益が分かりやすい
- 株価が分かりやすい
ドル建てのデメリット
- 円高ドル建て時に損をする
- 為替手数料がかかる
- 外貨を準備するのに時間がかかる
では、円建てのメリット、デメリットを見ていきましょう
円建てのメリット・デメリット
円建てのメリット
- すぐに取引できる
- 投下資金が分かりやすい為替手数料がかからない
- 為替損益も含めた損益が分かりやすい
円建てのデメリット
- 株取引自体の損益が分かりにくい
では、例とともに見ていきましょう。
□条件□
マネーキャット社の株が、50ドルの値を付けています。
為替は1ドル110円とします。
この場合
マネーキャット社の株は、日本円で5500円になります。
○円建ての場合
ねこみかんはマネーキャット社の株を5500円で買いました。
○ドル建ての場合
ねこみかんは、5500円を50ドルに換金して、マネーキャット社の株を50ドルで買いました。
※便宜上、為替手数料は計算しておりませんが、この場合はどちらも日本円で5500円の値段で一株を所持しましたね。
この時点では、どちらも同じ株を同じ価値で所持していますね。
しかし、外国の株を持っている以上、為替の影響は避けられません。
仮に、円安に進んだとしましょう。
ドル建ての場合は、当然為替が変わっても、株価が変わりませんから一株50$のままですが、円建ての場合は円安ドル高の影響で含み益が出ましたね。
しかし、この時点で換金した場合、ドル建ての場合も50ドルを5550円で換金出来ますので、結果一緒ということになります。
こうして取引をした場合は、どちらも同じですね。
実際の取引には、これに株価の変動も加わってきますので、もう少し動きが出てきますが、仮に株価が変動したとしましょう。
例 株価が60$に上がり、1ドル110円の為替相場が変わらなかったケースから
ドル建て 50$が60$→日本円に換金すると→6600円
円建て 5500円×1.2倍=6600円と当然、変わりません
例 株価が60ドルに上がり、1ドル111円の円安ドル高になった場合。
ドル建て 50$が60$→¥に換算→6660円
円建て 5500円×1.2×100.90=6660円とやはり同じです
保険商品の円建て・ドル建てとの違い
では、保険商品などで円建ては安定、ドル建てはリスクを取るがリターンも期待できるというのはどういう事なのでしょうか??
保険商品の場合は、そもそも円の価値がつくものを、敢えて外貨建てにすることによって為替益を狙うという商品なのです。例えるならばこんな感じです。
□円建て□
1000円の値動きする保険商品は
10%上がれが1100円
10%下がれば900円
とそのままです。
□ドル建て(1ドル100円)□
1000円の商品を、1000円を10$に変えて購入
10%上がれば11$、そして更に為替が1$110円になれば1210円
10%下がれば9$、そして同じく為替変動すると、990円
となり、違う値段になりますね。
米国株の円建てとドル建ての違い
簡単に説明しますと
円建ては決済した瞬間に円の価値ですが、ドル建ては決済してもドルのままです。
それによってこのようなケースがあります。
例・株価は上がったけど為替損をした場合
元の条件は同じくひと株50$で1ドル110円の相場で購入
ひと株55$に値上がりし、1ドル100円に円高ドル安になった場合
ドル建て 55$(含み価値は、5500円)
円建て 50$→55$×100円=5500円
となり、両者の値段は同じですが、せっかく値上がりしたのに為替損で収支はとんとんです。しかし、今回はドル建ての方は株は決済して、55ドルのまま持っていることに注目です。
このまま、円安ドル高に進んだ場合
例・55$で決済後、1ドル110円に戻った場合
ドル建て 55$(含みは6050円)日本円に戻しても6050円
円建て 5500円のまま
ドル建ての場合は、そのままドルを持ち続けることが出来る、つまり決済して初めて為替の影響を受けるというのが大きな特性です。
言い換えれば、円安ドル高まで待つことも出来ますが、常に為替リスクから逃れられないという事にもなりますので、メリットともデメリットとも言えません。
FXほどの心配はありません
為替差と言いますと、FXで大損した人は敬遠するかも知れませんが、基本的に外国株取引の為替両替はレバレッジはありませんので、さほど値動きはしませんので大丈夫です。
言うなれば、海外旅行に行くために円をドルに両替しているのと同じことですから、必要以上にリスクを考える人はいませんね。
ドル建ての方が分かりやすい理由
以上のことより、外国株を当該国通貨に両替して取引する場合は、収益に加速的な影響が無いことは分かりましたね。
では、どちらが良いのでしょうか?
どちらでもいいのですが、私のおすすめはドル建てです。
その理由はこのようなケースにあります。
例 株価が上昇し、円安ドル高が進行した場合
株価50$→55$ 1ドル110円→90円
ドル建て 50$→55$
円建て 5500円→4950円
例② 株価が下落し、円高ドル安が進行した場合
株価50$→45$ 1ドル110円→130円
ドル建て 50$→45$
円建て 5500円→5850円
となります、円建ての場合は常に為替が即時反映されますので、株では勝っているのに収支はマイナスになったり、株では負けているのに収支はプラスになったりします。
だからといって損得はないのですが、純粋に株式投資での勝敗が非常に分かりにくいですね。
また、ドルを持っていると常に為替の影響を受けますが、資産の分散というリスクヘッジにもなります。
だから、ねこみかんは、ドル建てで取引をしています。
ねこみかんの投資忘備録まとめ
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